Googleスプレッドシートを Claude Code に読ませる方法
ゼロから設定できる完全セットアップガイド
こんにちは、株式会社lacks japan の濱田竣也です。
突然ですが、こんな経験をしたことはありませんか?
仕方なくスクリーンショットを撮って貼り付ける → でも文字が潰れて読めない → 結局手で入力し直す
これ、実はとても多いお悩みです。Claude Code はとても賢いのに、「スプレッドシートを直接読む」という部分だけ、デフォルトの状態ではできないようになっています。
でも、この記事で紹介するセットアップを一度だけやっておくと、こうなります。
URLを貼るだけ、です。この記事では、その状態にするための手順を、IT用語をできるだけかみ砕きながら、ゼロから丁寧に解説します。
設定が完了すると、Claude Code 上で以下のことが全部できるようになります。
| やりたいこと | 設定前 | 設定後 |
|---|---|---|
| スプレッドシートのデータを分析させる | コピペ or スクショで手動貼り付け | URLを貼るだけで自動で読む |
| 複数のタブをまとめて確認 | タブごとに手動でコピペ | 「全タブを見て」と言えばまとめて読む |
| 別のシートにデータを書き込む | 不可能 | 「このシートに転記して」と言うだけ |
| 毎週レポートを作る | 毎回手作業 | プロンプトを再利用して自動化できる |
手順を進める前に、一つだけ理解しておいてほしいことがあります。それが 「MCPサーバー」 というものです。
難しそうな名前ですが、仕組みは単純です。こう考えてください。
普通の Claude(claude.ai)は「頭だけ」です。質問に答えたり、文章を書いたりはできますが、自分からGoogleやファイルを開くことはできません。
MCPサーバーを設定すると、Claude に「手足」が生えます。「このURLのスプレッドシートを開いて」と言ったら、実際に開いて読んでくれるようになるのです。
今回やることは、この「手足」(MCPサーバー)を自分のMacにインストールして、GoogleアカウントとClaudeを繋げる、それだけです。
全体の流れをざっくりイメージすると、こうなっています。
あなたが Claude Code に「このスプシ見て」と送る
↓
Claude Code が MCPサーバー(橋渡し役)に「スプシを取ってきて」と依頼
↓
MCPサーバーが Google Sheets API 経由でスプレッドシートを取得
↓
Claude がデータを受け取って分析・返答
難しく見えますが、一度設定すれば、あとは Claude が全部やってくれます。あなたはURLを貼るだけでOKです。
手順を始める前に、以下が揃っているか確認してください。
- Googleアカウント 読ませたいスプレッドシートと同じアカウントを使います
- Mac この手順はMac向けです。Windowsでは手順が異なります
- Claude Code まだインストールしていない場合は先にインストールを完了してください
- Node.js ターミナルで
node --versionを実行して、バージョン番号が表示されればOKです
ターミナルで node --version を実行して何も出なければ、nodejs.org にアクセスして「LTS版」をダウンロード・インストールしてください。インストール後にターミナルを再起動すると使えるようになります。
Macに最初から入っているアプリです。Launchpadで「ターミナル」と検索すると出てきます。コマンドと呼ばれる文字の命令をMacに送るためのものです。この記事ではターミナルを使う場面が何度か出てきます。
まず、Claude(MCPサーバー)があなたのGoogleアカウントにアクセスするための「許可証」を作ります。
「Google Cloud Console」という、Googleが提供している管理画面を使います。難しそうに聞こえますが、やることはフォームに入力して許可証をダウンロードするだけです。
Googleのサービスは、誰でも自由にアクセスできるわけではありません。「このアプリがあなたの代わりにGoogleにアクセスしていいですか?」という確認と、それを許可するための証明書が必要です。今回作るのが、その証明書(OAuthクライアントID)です。
以下のURLにアクセスします。スプレッドシートと同じGoogleアカウントでログインしてください。
https://console.cloud.google.com/
初めてアクセスすると「利用規約への同意」画面が出ることがあります。内容を確認して同意してください。
画面の上部に「My First Project」や「プロジェクトを選択」などと表示されています。クリックするとプロジェクト一覧が出てきます。
- すでにプロジェクトがある場合 → そのまま選択してOKです
- プロジェクトが一つもない場合 → 「新しいプロジェクト」をクリックして作成してください(名前はなんでも構いません)
左側のメニューから以下の順に進みます:
「APIとサービス」→「OAuth同意画面」
以下の項目を入力します。入力しながら「次へ」「保存して次へ」を押して進めてください。
| 入力項目 | 入力内容 | 補足 |
|---|---|---|
| アプリ名 | lacks-claude(なんでもOK) | このアプリの名前です。自分がわかれば何でも |
| ユーザーサポートメール | 自分のGmailを選択 | ドロップダウンから選ぶだけ |
| 対象(ユーザーの種類) | 外部 | 「内部」と「外部」が選べます。「外部」を選んでください |
| 連絡先メールアドレス | 自分のGmailを入力 | 上と同じアドレスでOK |
スコープの追加画面などが出た場合はそのまま「次へ」で進めてOKです。最後に「作成」をクリックしてください。
左メニューから「クライアント」を選択 →「OAuthクライアントを作成」をクリックします。
| 入力項目 | 設定値 | 注意点 |
|---|---|---|
| アプリケーションの種類 | デスクトップアプリ | ここは必ず「デスクトップアプリ」を選ぶこと。他を選ぶと動きません |
| 名前 | そのままでOK | 変更しなくて問題ありません |
「作成」をクリックするとポップアップが出てきます。
ダウンロードしたJSONファイル(名前が長い英数字のファイル)を、以下の場所に移動してファイル名を変更します。
移動先:/Users/(あなたのユーザー名)/.claude/ ファイル名を変更:gcp-oauth.keys.json
ターミナルで以下を実行すると、ユーザー名を確認できます:
whoami
たとえばユーザー名が shunya であれば、ファイルの最終的な置き場所は以下になります:
/Users/shunya/.claude/gcp-oauth.keys.json
ピリオドで始まるフォルダは「隠しフォルダ」です。Finder では「Command + Shift + .(ピリオド)」で隠しファイルを表示できます。あるいはターミナルで以下を実行すると一覧確認できます:
ls ~/.claude/
ファイルを置いたら、ターミナルで以下を実行して確認してみましょう:
ls ~/.claude/gcp-oauth.keys.json
ファイル名が表示されればOKです。
次のSTEPでソフトウェアのインストールを行いますが、Macの設定によっては「権限がありません」というエラーが出ることがあります。それを事前に防ぐためのコマンドです。
npm は Node.js に付属している「ソフトウェアのインストール管理ツール」です。アプリストアのようなものと考えてください。「キャッシュ」はインストール済みのデータを一時保存している場所です。Macのシステムがこの場所を管理者権限で保護していると、後の手順でエラーが起きることがあります。
ターミナルを開いて以下を実行してください:
sudo chown -R $(id -u):$(id -g) "$HOME/.npm"
Macのログインパスワードを入力してEnterを押してください。入力しても画面には何も表示されませんが、正常です。入力し終わったらEnterを押すと処理が進みます。
いよいよ「Claude の手足」となる MCPサーバーをインストールします。ターミナルで以下を順番に実行してください。
このコマンドで「自分のホームフォルダ内にインストールする」設定にします。システム全体への書き込み権限がなくてもインストールできるようになります。
mkdir -p ~/.npm-global npm config set prefix '~/.npm-global'
何も表示されなければ成功です。
npm install -g @modelcontextprotocol/server-gdrive
実行すると文字がたくさん流れます。30秒〜2分ほどかかることがあります。
インストールしたソフトウェアをMacが認識できるようにします。
echo 'export PATH=~/.npm-global/bin:$PATH' >> ~/.zshrc source ~/.zshrc
たとえるなら「この棚にあるものも使えるように設定してね」とMacに伝える作業です。インストールはできていても、Macが「どこにあるか」を知らないと呼び出せません。このコマンドで「~/.npm-global/bin というフォルダにあるものも使えるようにして」と設定しています。
何も表示されなければ成功です。
インストールが済んだら、Claude Code に対して「この MCPサーバーを使う」と教えます。
まず自分のユーザー名を確認します:
whoami
表示されたユーザー名を控えておいてください。以下のコマンドの (あなたのユーザー名) をそのユーザー名に書き換えて実行します。
claude mcp add gdrive \ -e GDRIVE_OAUTH_PATH=/Users/(あなたのユーザー名)/.claude/gcp-oauth.keys.json \ -- /Users/(あなたのユーザー名)/.npm-global/bin/mcp-server-gdrive
例えばユーザー名が shunya の場合は以下になります:
claude mcp add gdrive \ -e GDRIVE_OAUTH_PATH=/Users/shunya/.claude/gcp-oauth.keys.json \ -- /Users/shunya/.npm-global/bin/mcp-server-gdrive
claude mcp add gdrive → 「gdrive という名前の MCPサーバーを追加して」
-e GDRIVE_OAUTH_PATH=... → 「さっき置いた許可証ファイル(JSON)の場所はここだよ」
-- .../mcp-server-gdrive → 「実際に動かすプログラムはこれだよ」
「Added gdrive」などと表示されれば登録完了です。
最後に、Claude(MCPサーバー)とあなたのGoogleアカウントを紐付けます。これが「認証」という作業です。
以下のコマンドを実行してください:
GDRIVE_OAUTH_PATH=~/.claude/gcp-oauth.keys.json mcp-server-gdrive auth
実行すると、ブラウザが自動で開きます。
- Googleアカウントを選択します(スプレッドシートと同じアカウント)
- 「このアプリにアクセスを許可しますか?」という画面が出ます
- 「許可」をクリックします
- 「Authentication successful」や「認証が完了しました」と表示されたら完了です
Googleが「このアプリは Google に審査されていないよ」と表示することがあります。これは自分で作ったアプリなので正常です。「詳細を表示」→「lacks-claude(安全でないページ)に移動」をクリックして進めてください。
ブラウザで許可した後、ターミナルに OK または Credentials saved. と表示されれば認証完了です。
すべての設定が正しくできているか確認します。以下のコマンドを実行してください:
claude mcp list
以下のように ✓ Connected と表示されれば設定完了です。
gdrive: /Users/(ユーザー名)/.npm-global/bin/mcp-server-gdrive - ✓ Connected
STEP 5の認証がうまくできていない可能性があります。STEP 5のコマンドを再度実行して、ブラウザでの許可作業をもう一度試してみてください。
設定は完了しました。早速使ってみましょう。
Claude Code を開いて、読ませたいスプレッドシートのURLをコピーし、以下のように話しかけてみてください。
これ以降は設定不要です。URLを貼るだけで毎回使えます。
設定中にエラーが出た場合は、下の表を参考に対処してみてください。
| こんな表示が出たら | 原因 | やること |
|---|---|---|
EACCES: permission denied |
npmのキャッシュに管理者権限ファイルがある | STEP 2のコマンドを実行してから再試行 |
Credentials not found |
STEP 5の認証がまだ完了していない | STEP 5のコマンドを実行して、ブラウザで「許可」をクリック |
gdrive: ✗ |
認証の有効期限が切れた | STEP 5のコマンドを再実行して認証し直す |
403 insufficient scopes |
読み取り権限のみで、書き込み権限が足りない | Google Cloud Console の「スコープ」設定で Google Sheets API の書き込みスコープを追加する |
| ブラウザが開かない | 環境による(ターミナルとブラウザの連携不足など) | ターミナルに表示されているURLをコピーして、ブラウザのアドレスバーに直接貼り付けて開く |
command not found: mcp-server-gdrive |
STEP 3-3のパスが通っていない | STEP 3-3の2行のコマンドを再実行して、ターミナルを再起動してから再試行 |
全部できたか確認しましょう。以下が全部チェックできれば完了です。
- 【STEP 1】Google Cloud ConsoleでJSONファイルを取得し、
~/.claude/gcp-oauth.keys.jsonとして保存した - 【STEP 2】
sudo chown ...コマンドでnpmキャッシュの権限を修正した - 【STEP 3】
npm install -g @modelcontextprotocol/server-gdriveが完了し、パスも通した - 【STEP 4】
claude mcp add gdrive ...コマンドを実行してClaudeに登録した - 【STEP 5】ブラウザでGoogleアカウントの認証を「許可」して
Credentials saved.を確認した - 【STEP 6】
claude mcp listで✓ Connectedを確認した - 【STEP 7】実際にスプレッドシートのURLをClaudeに渡して、内容を読ませることができた
全部チェックできましたか?おめでとうございます。これ以降は設定作業は一切不要です。Claude Code にスプレッドシートのURLを貼り付けるだけで、毎回自動で読み込んでくれます。
claude.ai(ブラウザ版の Claude)には、Gmail や Google Calendar などと連携するMCP機能が最初から用意されています。ではなぜ今回のような手動設定が必要だったのか、簡単に説明します。
| 方式 | 特徴 | 対応サービス |
|---|---|---|
| claude.ai 公式MCP | Anthropic が用意・管理。設定不要ですぐ使える | Gmail、Google Calendar、Slack、Notion など |
| ローカルMCP(今回の方法) | 自分でMCPサーバーを立てる。Claude Code(ターミナル版)で動く | Google Drive / Sheets など、公式にないサービス全般 |
Google Sheets は現時点で公式MCPに含まれていないため、今回のように自分でMCPサーバーを立てる必要がありました。少し手間はかかりますが、一度だけやれば永続的に使えます。
「うちの業務にも使えないか?」と思ったら、お気軽にご相談ください
Claude Code × Google スプレッドシートの連携はほんの一例です。lacks japan では、AI・クラウドを使った業務効率化のコンサルティング・開発支援を行っています。「どこから始めればいいか分からない」という段階からでも、一緒に考えます。
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